株式会社EX-Fusion(取締役社長: 松尾一輝、以下「EX-Fusion」)は、プレシリーズAで総額11億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。
なお、EX-Fusionは、これまで19.3億円の資金調達をしており、この度の資金調達により、累計調達額は30.3億円になります。
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背景
現在、脱炭素社会実現に向け、レーザー核融合の可能性への関心が高まり、国際競争が激しくなっています。これまで諸外国では、大学や国立研究機関を中心に学術研究・開発がすすめられてきていましたが、2022年12月13日に米国エネルギー省より発表があったローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)のエネルギーゲイン(正味のエネルギー利得)の実験結果を受け、各国スタートアップを中心に、レーザー核融合の実用化に向け大きく舵を切っています。
EX-Fusionは日本国内におけるレーザー核融合の実用化促進に努めています。高出力・高繰り返しレーザー技術と連続ターゲット供給装置や最先端の光制御技術を組み合わせることで、世界初のレーザー核融合商用炉の実現を目指し、エネルギー分野にとどまらず、様々な光産業分野の技術開発に貢献していきます。
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目的
前回の資金調達以降、当社は浜松に自社施設を設立し、これまで開発を進めてきたレーザー制御装置やターゲット連続供給装置などのコンポーネントを統合し、試験できる環境を整備いたしました。今回の資金調達により、これらの統合実証をさらに加速させ、1秒間に10回連続でレーザープラズマを生成する実験を実施する予定です。また、将来的に核融合エネルギー科学のグローバルリーダーを目指し、専用レーザーシステムや高度な製造技術の内製化を推進するとともに、レーザー核融合を中心とした多様な光産業を確立し、クリーンエネルギーの生産国として大きな飛躍を遂げることを目指します。
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出資企業
- みやこキャピタル
- デライト・ベンチャーズ
- 千島土地
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投資家からのコメント
・みやこキャピタル 代表取締役社長 パートナー 岡橋寛明様
この度、株式会社EX-Fusionにおける技術開発、事業展開が大きく進展していく局面において投資させて頂くことができたことを大変嬉しく思います。
同社が目指している高速点火方式によるレーザー核融合は将来、米国のレーザー核融合実験施設NIF等が採用した中心点火方式に比べ低いレーザー出力で核融合を実現していけるものと大いに期待しております。また、レーザー核融合の研究開発で培った技術を他分野への社会実装を通じた事業展開は持続的な成長に寄与できると確信しております。
京都大学等の研究成果の利活用に向けた支援を行うなど産官学連携の更なる支援などを通じて、今後の益々の発展に貢献し、我が国を代表する核融合及びレーザー応用領域のスタートアップ企業としての成長を後押ししながら伴走してまいります。・デライトベンチャーズ パートナー 西田 光佑様
今回、デライト・ベンチャーズは、EX-Fusion社への2回目の追加投資を決定いたしました。前回のシードラウンド以降、同社のレーザー核融合技術は着実に進展し、持続可能なエネルギーへの革新的な貢献を果たす可能性をさらに強く感じています。クリーンエネルギーの実現は我々にとって重要なミッションであり、EX-Fusionと共に、この技術の実用化と社会への貢献を目指して進んでいけることを大いに期待しています。今回の出資により、技術のさらなる飛躍を支援し、持続可能な未来を築くために共に挑戦していくことを楽しみにしています。
・千島土地 代表取締役社長 芝川善行様
国内外多くの核融合スタートアップが立ち上がる中、ゲイン1以上という大きなブレークスルーを達成したレーザー核融合発電方式、その中でも周辺技術の産業応用を平行して進めているEX-Fusionへ、この度出資をさせて頂きました。
エネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼る日本において、核融合発電の実現は大きな意味を持ちます。
大阪発のスタートアップとして、核融合発電により社会に大きなインパクトを、また核融合発電実現までの道のりの中で様々な産業領域にイノベーションを起こしていただけると確信しています。 -
今後について
EX-Fusionは、クリーンエネルギー生成を含む多くの新しい技術分野を開拓し、レーザー核融合エネルギーの可能性を最大化させます。特にこれまでレーザー核融合商用炉実現を目指す過程で得られてきた連続ターゲット供給装置や最先端の光制御技術を活用し、エネルギー分野にとどまらず、様々な光産業分野の技術開発に貢献していきます。
※レーザー核融合エネルギーとは
安全で信頼性が高く、 高レベルの放射性廃棄物を生成しないクリーンエネルギー。 海水から採れる豊富な燃料を使用した小型の核融合炉によって生成されます。 原子炉と同等以上の発電量と従来の再生可能エネルギーの安全性を備えていると同時に、レーザーの繰り返し数を変えることで負荷変動にも対応できます。
以上