レーザー核融合とは

核融合は「地上の太陽」「夢のエネルギー」とも呼ばれる次世代のエネルギー技術です。

水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を核融合反応させることで、
1グラムの燃料から石油8トンにも相当する莫大なエネルギーを得ることができます。
これを発電に利用するのが核融合発電であり、燃料はほぼ無尽蔵です。
重水素は海水中に豊富にあり、三重水素は天然にはごくわずかしかありませんが、
核融合発電所内で自給することが出来ます。核融合発電が実現できれば安定して
大電力を供給できるようになるいくつかの方法が研究されており、
代表的なものに「磁場閉じ込め方式」と「慣性閉じ込め方式(レーザー方式)」の2つがあります。

慣性方式は、モノがその場所にとどまろうとする「慣性」を利用して、一瞬だけ閉じ込めたプラズマにレーザーなどを照射して加熱し、瞬間的な核反応を繰り返し起こす方法です。

強力なレーザーが開発されたことで登場しました。レーザーやイオンビーム、ガスガン、レールガンを使った複数の方式が研究開発されてきましたが、多数のレーザーを照射することによって生み出される圧力でプラズマを高密度状態に圧縮するレーザー核融合が慣性方式では最有力とされています。

レーザー核融合は具体的には、数ミリメートルの球状の物質(燃料ペレット)に強力なレーザーを照射すると、その表面がプラズマとなって噴出する一方、その反作用で物質の中心部に向かって瞬間的に高い圧力が発生する「爆縮」などの仕組みを使っています。強力なレーザーで生み出せる圧力は大きく、200億気圧といった太陽内部の高い圧力を瞬間的に再現する事ができます。

レーザー方式は、2022年末に投入分を上回るエネルギーを実験で取り出す成果を挙げた米ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)が採用する方式です。磁場方式は、プラズマを長い時間閉じ込めて維持することで核融合反応を長時間安定して起こしやすく、慣性方式は外部から圧力をかけてプラズマをなるべく狭い領域に圧縮して高密度状態を実現することで一定時間に起きる核融合反応の数を多くしやすいという特徴があり、磁場方式はプラズマの連続燃焼、レーザー方式は単発燃焼を繰り返すことで核融合発電の実現を目指しております。

TOP